吾輩はパンである。
ここのところの酷暑で吾輩は
クーラーのきいた部屋に入り浸りである。
しかし今宵は真夜中の散歩に出かけてみた。
さすがに昼間の暑さは無く、かすかに吹く風がここちよい。
外灯の光を避けて暗闇の方へと歩いてゆく。
小学校のグランドで足を止め大空を仰ぎ見る。
多少目の悪くなった吾輩にも
晴天の夜空に無数の星が瞬いているのがよくわかる。
今宵は流星が多く流れる日。
真夜中の散歩の目的は流星群を眺めるための散歩なのだ。
そうこうしている間にもあちらこちらで光の筋が現れては消える。
次はいつ流れるのか・・・
わくわくが止まらないまま夜空から目が離せない。
ふと気付くと後ろから複数の足音が・・・
ちょっとドキッとした。
家族連れだろうか、グランドの真ん中まで進むと
ゴロンと横になり夜空を仰いでいる。
どうやら目的は同じらしい。
どれくらい空を見上げていたのだろう
やぶ蚊の羽音で我にかえる。
ぼちぼち帰ろうかとも思ったが
去年から病気がちな吾輩
ご主人様にもいっぱい心配をかけてしまった。
散歩のペースもずいぶん遅くなってしまった。
相棒やご主人様にもいつまでも元気でいてほしい。
願い事は山ほどある。
全て流れ星にお願いできるよう
もうしこし夜空を眺めていよう。
by パン
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